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高島・低島

石垣島や西表島には高い山があるのに、なぜ宮古島にはないの?
という素朴な疑問にこたえてくれたのがこの本。
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『琉球列島ものがたり〜地層と化石が語る二億年史』(ボーダーインク刊)

自然の岩や地層がどうしてできたのか、
人が住み始めるずっとずっと以前の島の歴史をときおこし、
はるか中生代、古生代へとさかのぼる
壮大な旅へといざなってくれます。

宮古島のような平らな地形は琉球石灰岩のなせるわざ。
琉球石灰岩は水を浸透させる「透水層」なので、降った雨は地下にしみ込んでいき、
川は地表にはできず、地下にできます。
だから地表に谷が発達せず平らな地形になり、これを「低島」というのだそう。
いっぽう、
石垣島や西表島のような山地地形になっているところは「不透水層」が広く分布。
地表を流れる水によって谷と河川が発達し、凹凸のある地形ができたのだそう。
そしてこちらを「高島」というのだそうです。

もちろん石垣島でも琉球石灰岩による地形はいっぱいあって、
川平など海岸線に沿った美しい景観も、そのたまものなのだとか。

そのほか、今もふれることができる具体的な場所を紹介しながら語ってくれるので
それぞれの時代の地層がとても身近に感じられました。 
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たとえばこれ、御願崎灯台前にある大きな岩は
約4000万年〜5000万年前の「始新世のグリーンタフ」といって
火山に関係した野底層という地層なのだそう。
岩石が緑色になっているのが特徴で、
頂上に岩山が露呈した野底マーペーも、この野底層なのだとか。
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ほらほら、緑色でしょ? これは御願崎の浜にある岩の隙間。
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海岸にあるこの岩も、下のほうがうっすら緑色です。

沖縄の後期旧石器時代の人骨、港川人が発見されたいきさつもちょっと感動的なエピソード。
発見者の大山さんは、自宅の石塀をつくるために港川から切り出した石材を買ったら
そこに偶然、動物の化石を発見。
「動物がいたなら、それを狩って生活していた人間もいたにちがいない」と信じ、
石切場に通って掘り続けた結果、みごと人骨を発掘したのだそう。
シュリーマンさながらの信念と、情熱によって得られた発見だったんですね。

この本のおかげで、岩や地層を見るのがさらに楽しくなりました!




| book | 10:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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沖縄妄想食堂

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沖縄の魅力を一人芝居で伝え続けているウチナー噺家、藤木勇人さん。
ウチナーの食についてのユンタクもめっちゃ熱い思いと可笑しさいっぱいで、
これまでは一部の人しかそのおもしろさを味わえなかったんだけれども…
そんなユンタクが本になっちゃった237 『藤木勇人の沖縄妄想食堂』(主婦と生活社刊)


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たとえばナーベラー(へちま)の名前の由来なんかも、「ナーベラーはナービアラヤー=鍋洗い。
ウチナンチュもヤマトと同じようにへちまをたわしとして使いながらも、たわしになるまで待てなくて食べてしまった…」なんてエピソードも、説得力あるなぁ。


単なる健康食、長寿食だけでは語れない、沖縄料理がクセになるワケが、
この本で腑に落ちる気がするハズよ〜。


| book | 12:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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トライステロと奥の院

この一週間で、まったく違う路線から読んだ2冊の本がシンクロしてきた。
ひとつはアメリカ現代文学のなかでも通好みの名作といわれる、
トマス・ピンチョンの『競売ナンバー49の叫び』。
もう1冊は元外務相キャリア原田武夫氏の東大講義録『仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理』。

ひとことでいってしまえば、どちらもテーマは「アメリカの陰謀について」。
前者が書かれたのは1966年、後者は2007年と40年近くもの隔たりがあるけれど
新潮選書 世界文学を読みほどく』のなかで池澤夏樹氏が語っているように
“表の民主主義に対する権力の側の裏の陰謀は、アメリカという国のひとつの特質であり、
それはピンチョンがこの本を書いた60年代頃からたぶんそうだった”ということなのでしょう。

アメリカの見えない奥に存在するといわれる陰の組織。
小説では郵便喇叭のマークをシンボルとする陰の郵便組織「トライステロ」の謎を主人公が解明していくというミステリー仕立てでぐいぐい読ませる一方、膨大な脚注をつけて研究者を喜ばせるほどの暗喩、隠喩に満ちていて、読み終わっても判然としない迷宮に彷徨い続けざるをえない(しかし、その存在について依然謎のまま、という点では非常に現実的)。

一方、外交の現場を肌で体験した日本人が語る内容は、「郵政民営化や三角合併解禁などの構造改革や規制緩和などの政策はすべてアメリカの陰の組織「奥の院」からの仕掛けであり、それによって貯蓄大国日本の虎の子の資産を根こそぎ持っていこうとしている…」というもの。

もっともアメリカにはJFKの暗殺やルーサー・キングの暗殺、最近では9.11(WTCの破壊はコントロールされたビル破壊でなければ物理的にありえない、という専門家の疑惑が発表されている)など不可解な結末に終わっている事件があって、そのたびに陰謀論が語られているのだけれど、
この本では特に日本に仕掛けられている情報操作と経済的な陰謀について詳しく力説している。

言われてみれば…ではないけれど、突然おかしなことになっている教科書の集団自決に対する軍の関与記述問題や、いきなりで有無を言わせなかった米軍掃海艇の与那国寄港、そして新潟県中越沖地震で取りやめになったけれど、復帰後初となるはずだった安部総理の石垣来島なども、奥にどんな目論見が隠されているのか勘ぐりたくなる。

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『風の影』

退屈な待ち時間や移動時間を縮めるマジックは、とびきり面白いミステリー。
少し前に買っておいたものの、機内で読むのにとっておいた『風の影』。
すぐにひきずりこまれてしまい、旅の間も毎晩寝る前に読み進まないではいられませんでした。


帰りは後半のクライマックス、というところで石垣空港に着陸。
一瞬、もっと飛んでいてよ〜、とさえ思った(笑)。


詳細については、リンク先その他数々の書評で筆を尽くして(映画のプロモ並みの映像まで!)語られているので、私があえていうこともないけれど、ぐいぐい読ませる物語の随所に沁みるような箴言が埋め込まれていて切なくなります。時代背景となる、スペイン内戦とそれに続く恐怖政治の影のなかではなおさら。――「人間というやつはねえ、お嬢さん、人生でまちがいばかり犯しつづけるもんですよ。ただ、年をとってからしか、それに気づかんのだ。――

1行だけを抜き出すと、なんてうすっぺらくなってしまうのでしょう。
ちなみにバルセロナの旧市街を彷徨いたくなるという、こまった副作用つき〜147

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