養蜂歴30年のNさんから電話が鳴った。「どう、蜂は?」
「減ってはいないけど増えてもいないです…」と私
「これからだよ。がらっと変わるよ。どんどん花が増えてくるからね。巣も増築して塀を高くするんだよ」
「夏以外の3シーズンは、春と秋が同居しているのが石垣。ぼくはそう見てるんだよ」
そんな電話の背後からは、がやがやと騒がしい話し声が…
「今ね、かぼちゃ農家と集まりしてるんだよ。じゃあまた」
そういえば通りがかりのかぼちゃ畑も苗が植え付けられたばかり。
Nさんはかぼちゃ畑に巣箱を置くのかな?
というわけで10日ぶりに巣箱をのぞいてみたら、なるほどムダ巣を作り始めていた。巣碑を追加しなくっちゃ。
今年は夏に女王を失踪させてしまったり
分蜂で巣箱に入ってきた群れも少ない数からのスタートで
花の少ない夏は給餌でしのいできた
蜜源になる花が少なく、夏の暑さ、冬の長雨と、
蜜蜂にとっては過酷な環境で蜂を飼うのは果たしていいことなのかどうか
考え込んでしまったりもする
でもこの映画を観たら、またちょっと元気が出てきた
Queen of the Sun蜜蜂をまとってのamazingなダンス&ティーパーティーは、イントロとエンディングに登場
映画は、数年前から始まった蜜蜂の大量失踪を契機に
アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなど各地の養蜂家を訪ねてのインタビューや
蜜蜂の神秘、1万年に遡る人間と蜜蜂の歴史などを織り交ぜたドキュメンタリーだ
養蜂家の誰もが口々に語るのは、
農薬に依存し、自然の叡智に逆らった大規模単一農業がいかにミツバチをおびやかしているか
そして今、蜜蜂がさらされている危機は、そのまま人類の危機でもある、ということ
蜜蜂のようなポリネーターがいなくなれば、虫媒植物は実を結べない
蜂が生きることのできない「除草剤+遺伝子組み換え種子による農業」がこのまま進んだら
いずれは人間も、蜜蜂のように数を減らしていくしかない
(遺伝子組み換えの真の狙いはまさにそこ、地球上の人口削減にあるのかもしれないけれど)
というふうに、進みつつある問題は深刻だけれど
登場する養蜂家さんたちがみなとてもすてきなのだ
Nさんのように、網もかぶらない、素手、上半身裸で内検したり
巣板にあごひげをすりすりしちゃったりw
そして「ヨギーニになれば、ビーキーパーになれるよ」という
蜂と仲良くするには、心を静かにしなければいけないと
蜜蜂と接することで地球とつながり、内なる自然ともつながっていく
そこに持続可能な未来がある
一部の巨大企業が邪悪な支配をもくろんでも
地球のあちこちでひとりひとりが小さな行動を起こしていけば、阻止できるのでは?
家の裏庭、ニューヨークのビルや、ロンドンの集合住宅の屋上で蜂を飼う人も紹介されていた
バード・サンクチュアリのようなビーサンクチュアリがあちこちにできたら素晴らしいな
花々を飛び回る蜜蜂の映像も、とても美しい
残念ながら日本語字幕はまだみたいだけど
ペイパルを使えば4.99$で30日間PC上で視聴可
(この方法いいな! 都会でしか上映しない映画もこうしてくれればいいのにね!)