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なうひあdiary

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現代に残された最後の魔法~倍音

2017/02/28(Tue) 10:25
『歌唱王』という番組を観ていたら、優勝した人に対する審査員のコメントで
miwaが「あ行の音が最高です!」と目をきらきらさせた
すると隣の小室哲哉が「専門用語でいうと“倍音”が出てる」と説明した

なるほどー
以前から、プロの歌手がカヴァー曲を歌っても、心に響くのと響かないのがある、その違いは声だな、とは思っていたけど
ただ「いい声をしている」というだけではない秘密、それは“倍音”にあるわけね?

私の知っている倍音といえば、モンゴルのホーミー
通奏低音を発しながら、同時に高音のメロディも聞こえる喉歌唱法で
その二種類の音は声に含まれる倍音成分を強調することで出てくる
ユーミンの声がそのホーミーに似ている、ということで
ユーミンがモンゴルに行ってホーミーの唄い手に会う、というドキュメンタリーをかなり前に観た

で、心地いい音に含まれるという「倍音」にがぜん興味をひかれ、
尺八奏者で作曲家の中村明一さんが倍音について解説している「音楽と科学 (3) 倍音ってなあに?」 という動画を観た




テレビ番組なので重要なエッセンスだけかいつまんで紹介されているが
非常に納得するポイントがいくつもあって
さっそくこの人の著書 『倍音~音・ことば・身体の文化誌』(春秋社)を購入して読んだ

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なぜ、ある人の発する声に魅了されるのか。
なぜ、言葉で気持ちが伝えられるのか。
なぜ、心の底から感動する音楽が存在するのか。
いまだ誰も、その問いに対する明確な答えを提出できずにいます。
しかし、これらの背後に「倍音」が存在している、ということを見出すと、すべての謎はひとつにつながり、
自然にとけはじめていくのです。
「倍音」――それはまさに、現代に残された「魔法」と言ってもよいでしょう。( はじめに より)



現代に残された最後の魔法…
 「心に響く、響かない」 こういう言い回しが存在するということにも、倍音の秘密が顕れていたわけだ

~倍音とは~
 
・音はひとつの音として聞こえる場合でも、複数の音による複合音からなっている
・音色をつくっているのが「倍音」
・音に含まれる成分のうち、周波数のもっとも小さいものを「基音」その他のものを「倍音」と一般的に呼ぶ
・「倍音」のことを英語では「オーバートーンovertone」または「ハーモニックスharmonics」という

つまり、ひとつの音でさえも、ひとつの音楽と同等の複雑さを兼ね備えた「音楽」、ミクロコスモスになっている

・倍音には[整数次倍音]と<非整数次倍音>がある

 整数次倍音 非整数次倍音
 周波数 基音の整数倍 基音の非整数倍
 波形 規則正しい 不規則
 言語 母音 子音(母音の強調)
 聴感上の特徴 ギラギラ カサカサ
 効果 カリスマ性 重要性、親密性
 歌手の声 美空ひばり、浜崎あゆみ 森進一、宇多田ヒカル
 話し声 黒柳徹子、タモリ 堺正章、ビートたけし
 歌ブルガリアン・ボイス 義太夫節
 楽器チャルメラ ケーナ


・倍音によってさまざまな感情が呼び起こされる
・倍音があると、非常に多くの、しかも周波数の違う音が音源より発射され
 その反射の仕方や返って来る時間も変わり、どの周波数のものが返ってくるのか、ということも変化してくるため
 空間性、方向性をしっかり認識できる
・倍音には聴覚域を超えた高周波や低周波の音も含まれるため、
 人間は、音の背後にある大きなものを 耳、肌、身体で感じ、脳内はさまざまに変化する
・これらの作用により、人は倍音に魅かれ、心を動かされる





話は「倍音」の秘密から、日本人の脳、日本という環境、身体、言語、日本文化の構造へと進み
人間にとって音、音楽とは何か、というふうに広がっていく

そして内田樹氏の帯文
「音楽家の書く文章はそれ自体が音楽で、倍音についての文章からは倍音が立ち上がる」 の通り、
音、響き、言語、情報、同期、意識と無意識、コミュニケーション、時空と世界  …などが
重層的に語られる

たとえば宮沢賢治の『セロひきのゴーシュ』にも、重要な秘密が隠れていたのだけど
長くなるのでまた次回

















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